まいどはや、
ともやんです。
先日、合唱団の練習後、先生や仲間たちと食事しながら、雑談していた時、誰かが、シューマンの作品ていいよね、言い出しました。
僕ももちろんシューマンの作品は好きですが、シューマンの話題は、歌曲からピアノ曲、そしてピアノ協奏曲へと発展しました。
そう言えば、僕自身、シューマンの作品は、そんなに聴いていないなと反省しきりでした。
やはり、僕が好む交響曲はよく聴くし、演奏の聴き比べなどもしますが、その以外では子供の情景などのピアノ作品を少々。
ということで、早速、エレーヌ・グリモーの独奏の録音を聴きました。
やはり素敵な作品です。
シューマン ピアノ協奏曲について
一時は名ピアニストを目指し、妻のクララは、当時ドイツ最高のピアニストの一人であったことを思うとシューマンのピアノ協奏曲が一作だけというのは意外な気がします。
シューマンは、運指の訓練に無理をして指を壊したと言われ、それに代わった作曲家としてドラマティックな作品を創作しようとしたのは当然と思います。
ただ、作品の誕生はなかなか進まず、スケッチ止まり。
1841年になって、「ピアノと管弦楽のための幻想曲」を題した作品を完成させましたが、出版社からは残念ながら断られてしまいました。
しかし、シューマンはそれにもめげず、1845年に正規の協奏曲の形式で、第二楽章と第三楽章を追加して、現在私たちが耳にする傑作イ短調ピアノ協奏曲を完成させました。
第一楽章を作ってから、完成まで4年の隔たりがありますが、統一の取れた主題の扱い方や内容の調和の一貫性などから、一気に創作されたとしか思えない完成度の高さです。
ピアニストを選ぶ シューマンのピアノ協奏曲
かなり古い資料ではありますが、19世紀の傑作なので、内容的には普遍だと思うので、その資料から引用します。
引用する資料は、僕が中学生の時から、利用している『名曲事典』属啓成著(音楽之友社)の中に次のように記されています。
“この協奏曲は技巧的に至難な割合に華美ではない。そしてまた技巧の成功だけではシューマンのロマンティックな精神は生きてこないように出来ている。
また要求される至難な技巧も、もっぱら詩想表現のために無駄なく使用されている。そのためにこそまたすぐれたピアニストたちに好んでひかれるのある。”
つまり単に技巧だけを誇るピアニストが弾いても感動は伝わらないということですね。
その意味では、エレーヌ・グリモーの感受性の高い演奏では、この作品の素晴らしさが余すことなく伝わってくるように僕は思うのです。
グリモー シューマン ピアノ協奏曲
ロベルト・シューマン – Robert Schumann (1810-1856)
ピアノ協奏曲 イ短調 Op. 54
Piano Concerto in A Minor, Op. 54
1.(14:49) I. Allegro affettuoso
2.(05:05) II. Intermezzo: Andantino grazioso
3.(10:37) III. Allegro vivace
total(30:31)
エレーヌ・グリモー – Helene Grimaud (ピアノ)
ベルリン・ドイツ交響楽団 – Deutsches Symphonie-Orchester Berlin
デイヴィッド・ジンマン – David Zinman (指揮)
強靭さとリリシズムが見事に融合した品格の高いグリモーの演奏。繊細さと抒情を備えた「美」と、圧倒的な推進力を持つ力強いタッチの「動」。深い呼吸によるきめ細かな響きと、スケールの大きい幻想的な歌心が共存しています。
彼女がワーナー・クラシックス(エラート&テルデック)に録音した全6枚分のディスクを収録した、お買い得なセットです。なお、ブックレットは簡単な英・独・仏語による解説のみとなり、トラック表は各ディスク収納紙ケースに記載されます。
コメント