こんにちは、
ともやんです。
昨日が、ポーランド出身の名指揮者スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(1923-2017)の誕生日でした。
それをきっかけにスクロヴァチェフスキの演奏を聴き続けています。
この人本物中の本物です。
93歳で亡くなるまで現役でした。
しかも、普通は高齢になれば、多分身体的な理由からでしょうが、テンポが遅くなり勝ちですが、スクロヴァチェフスキは最後までそれが感じられませんでした。
2007年から2010年まで、読売日本交響楽団の常任指揮者を務めたことは特筆に値します。
就任時がなんと83歳。
しかし、衰えるどころか精力的にコンサートや録音に尽力されました。
現在、常任だった読売日響やNHK交響楽団とのライブ録音がCD化され出ていますが、どの演奏も傾聴すべきものです。
最後の最後まで青年の若さとエネルギーとパワーを持ち続け、聴く者に生きる勇気と喜びを与えてくれたスクロヴァチェフスキ。
安易な褒め言葉でなく、この人の音楽を聴くだけでまたがんばろうという気になるのです。
微弱ならスクロヴァチェフスキの名演を紹介して行きたいと思います。
スクロヴァチェフスキ ショスタコーヴィチ交響曲第5番
こんなショスタコーヴィチは聴いたことがなかった!
誰かが書いていたけど、スクロヴァチェフスキの凄いのは、例えばジグソーパズルのように全体像が出来ている各パーツを所定の箇所に嵌めこんでいくのではなく、全体像が見えないパーツを重ね合わせ、積み上げて全体像を作り上げる。
つまり完成されたものが似ていても、過程がまったく違うアプローチをしているというところ、という意味のことを解説していました。
つまり名匠の技なのです。
このショスタコーヴィチも随所に克明さを感じさせながら、聴き終わった時の完成度、燃焼度は最高なのです。
また、ベートーヴェンで見せたような即物的な表現よりもより生々しさを感じさせてくれ、曲に深い入りしてしまいます。
ぜひ、聴いて欲しい名演です。
なお、タワーレコードなどでは扱っていないようで、ぜひこの際、Amazon music unlimitedの加入されることをおすすめします。
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第5番 ニ短調 Op. 47
Symphony No. 5 in D Minor, Op. 47
1.(17:11) I. Moderato – Allegro non troppo
2.(05:51) II. Allegretto
3.(15:10) III. Largo
4.(12:14) IV. Allegro non troppo – Allegro
total(50:26)
5.(18:07) ベルリオーズ:愛の情景 ~劇的交響曲《ロミオとジュリエット》 作品17より
読売日本交響楽団 – Yomiuri Nippon Symphony Orchestra
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ – Stanislaw Skrowaczewski (指揮)
録音:2013年10月6日、横浜みなとみらいホール(ライヴ録音)
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/読売日本交響楽団
なんという90歳!
赤色巨星と化した第五の中心核に、作曲者の誠と悲しみを見た。
作品の本質を深く鋭く抉ったこの空前絶後のショスタコーヴィチで、巨匠が立っている地平の高さには目が眩むようです。
快刀乱麻を断つがごときだった前作のベートーヴェンから一転、赤色巨星のような尋常ならざる巨大な結構は、巨匠が長年の探求の末にたどり着いた設計に他なりません。
※僕が敬愛するアリアCD店主の松本大輔氏のコメントから一部を引用します。
僕が感じたベートーヴェンへのアプローチの違いを松本氏も記しています。
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