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青春の門とプロコフィエフ交響曲第7番

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こんにちは、
ともやんです。

五木寛之氏の大河小説『青春の門』を改めて読み返しています。
僕にとっては、懐かしくもあり、また大げさではありますが、人生を変えた小説でもあります。

僕はこの小説を最初に読んだのが、いまから約50年前の高校生の時。
中学の時に10歳年上の叔父からこれ読んでみろよ、と渡されたのが五木寛之著『青年は荒野をめざす』でした。高校生になってやっと読み出し、その面白さに一気に読み切り、その後は熱に促されたように五木さんの小説を手あたり次第読んだものです。

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人生を変えた青春の門

『青春の門』を読んだ当時僕は5年制の国立高専に通っていました。
しかし、『青春の門』で伊吹信介が筑豊から東京の大学に行ったことに影響を受け、僕も特に深刻に悩まず、高専を3年で辞めて1年浪人し、東京の大学に行ったのです。

小説では、信介が入学した大学はの名称は明記されていませんが、周辺の状況から早稲田大学に間違いありません。僕も幸運としか言えませんが、早稲田に潜り込むことが出来ました。

アルバイトしながら大学に通い、5年間掛かりましたが卒業して普通の会社員になり、定年まで働き、現在はアルバイトと年金で暮らす生活です。

小説を読み返しながら、自分の学生生活は、信介に比べ平凡で面白味のないものだったな、と苦笑しながら思ったりもします。

また、東京の大学に行かず、そのまま高専に残って20歳で地方の企業に就職していたら、どんな人生だったろうかとも思うこともあります。

どちらが良かったのかはわかりません、人生に正解はないとも言えます。
ただ、その時々で自分で良いと思った選択をしてきたし、誰かに無理やりやらされたわけでもないので、悪くはなかったとも思うのです。
そういう意味では、『青春の門』は僕の人生を変えた書とも言えます。

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青春の門とプロコフィエフ

青春の門』第2部「自立編」では、大学に入った信介が、最初に親しくなった緒方という先輩学生から思想や文学、音楽などの影響を受けています。

それまで、筑豊の炭鉱夫などが歌っている猥歌などで育った信介にとって、名曲喫茶で聴くクラシック音楽は、分からないながらも魅力的で刺激的だったようです。
その中で、緒方はプロコフィエフの交響曲第7番を聴いたか?と信介に尋ねるシーンがあります。

『青春の門 自立編』の舞台になった時代は、昭和30年前半、1950年代後半。
プロコフィエフの交響曲第7番は、亡くなる直前の1953年(昭和28年)に完成しています。日本では、1953年12月10日に上田仁指揮東京交響楽団が初演を果たし、第4楽章が繰り返されたほど、熱狂的な好評を得たとそうです。

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つまり緒方や信介は、まだ初演されて数年しか経たないプロコフィエフの遺作に耳を傾けていたのでしょう。

僕が大学に入学したのが1977年。信介が通っていた(五木さんが通っていた)時代より約20年後でした。その数年前までの激しかった学生運動の気配は全くなく、少しのんびりした雰囲気のキャンパスに正直拍子抜けしたものです。

誰でも一度は通る青春の門。僕にとって何だったんだろうとプロコフィエフを聴きながら思うのです。

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ネーメ・ヤルヴィ プロコフィエフ交響曲第7番

セルゲイ・プロコフィエフ – Sergey Prokofiev (1891-1953)
交響曲第7番 嬰ハ短調 Op. 131
Symphony No. 7 in C-Sharp Minor, Op. 131

1.(08:39) I. Moderato
2.(07:52) II. Allegretto
3.(06:15) III. Andante espressivo
4.(08:15) IV. Vivace
total(31:01)

スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 – Scottish National Orchestra
ネーメ・ヤルヴィ – Neeme Jarvi (指揮)
録音: April – May 1985, SNO Centre, Glasgow

プロコフィエフ 交響曲全集 ネーメ・ヤルヴィ ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団



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ネーメ・ヤルヴィは、パーヴォ・ヤルヴィの父。ソ連時代のエストニアで1937年に生まれています。息子が有名になり今ではパーヴォの父と認識されることが多いようです。しかし、精力的に活動を続け多くの録音も行い、プロコフィエフの交響曲全集の録音も残しています。

プロコフィエフのどの交響曲よりも古典的な形式とロマン的な内容をもった交響曲で、かれの青春の喜びをうたったものだと言われるが、ロシアの民族的要素が強くにじみ出ているだけに、かれのどの作品にもまして国民主義的な作品でもある。
『名曲事典』属啓成著より



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