こんにちは、
ともやんです。
2020年のベートーヴェン生誕250年のベートーヴェン・イヤーも最後の日となりました。
もっとも、では2021年になる明日から聴かなくなるのか?というと全くそうではなく、ベートーヴェン自身、2021年12月までは250歳ですし、日本人はベートーヴェンが好きですし、僕自身も大好きなので死ぬまで聴いて行きたいと思います。
なんで、ベートーヴェンって、こんなに日本で人気があるのでしょうか?
ちなみに、本日聴きに行く、「ベートーヴェンは凄い!全交響曲連続演奏会2020」のアンケートでは、まあ、当然と言えば当然で、ベートーヴェンが第1位です。
続いて、モーツァルト、ブラームス、チャイコフスキー、J・S・バッハと続きます。(僕の好きなブルックナーが第20位までに入っていないのが不満ですが)。
何と言ってもベートーヴェンは、インパクトがあって分かりやすい、というのが一番でしょうか。
そのインパクトと分かりやすさでいうとやはり交響曲第5番”運命”だと思います。
ベートーヴェンを知らない人も必ずどこかで聴いたことがあるフレーズが、ベートーヴェンの”運命”です。
最初の”ジャジャジャジャーン”という「運命動機」と呼ばれるフレーズは、誰でも耳にしていると思います。
かしこまった名称は、交響曲第5番ハ短調”運命”作品67。
クラシック音楽歴50年の僕は、一時期”運命”という名称を使わない頃がありました。
理由は、ベートーヴェン自身が名付けたわけではなく、しかも
弟子のシンドラーが伝える逸話で、ベートーヴェンが、「『運命はこのようにして扉を叩く』とベートーヴェンが語ったという内容から、後世に名付けられたものです。
しかし、シンドラーの逸話は捏造も多いようで、信憑性は低いようです。
しかし、僕はこの曲には”運命”という名称を使うようにしています。理由は簡単で、この曲を指す名称として適当な名称だと思うからです。
ベートーヴェン 交響曲第5番”運命”について
作曲は、第3番”英雄”が完成した1804年頃から進められていましたが、急遽第4番などを作曲した関係で、第4番完成後の1808年に、対照的な性格を持つ、第6番”田園”と並行して作曲されました。
初演は、1808年12月22日アン・デア・ウィーン劇場で自身の自主コンサートで行われました。
曲と通して、運命動機が現れ、緊密に練り上げるために相当な推敲を重ねたと思われます。
この交響曲第5番は、9曲の中でも新機軸が顕著です。
まず、旋律ではなく「運命動機」と呼ばれる4音の動機を軸に据えた発想。
その動機が全体に登場して曲は、有機的に統一されている構成です。
それを構成する構図は、闘争から勝利、苦悩から歓喜というように、暗から明へいう明確なものです。
それは第3楽章から第4楽章へは最後をクレッシェンドしたまま突入するという斬新な手法で、第4楽章は、これでもか!、これでもか!という勝利の凱旋のような圧倒的なパワーを発揮します。
また使用楽器には、交響曲史上初となる、ピッコロ、コントラファゴット、トロンボーンが使用され、効果を挙げています。
まさに独創的な交響曲の登場でした。
ベートーヴェン 運命 名盤 おすすめ
もっとも有名な交響曲だけに、それこそSP時代からLP、CD時代に掛けてもっとも録音され、売れた曲です。
但し、コンサートでの演奏回数は、日本における年末にこぞって演奏される”第九”を覗いては、第7番に首位の座を譲る年も出てきています。
第7番に関しては改めてコメントしますが、映画「のだめカンタービレ」に使われたり、最近は、宝くじ年末ジャンボのCMに使われたりと知名度が上がっています。
フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
1.(08:14) I. Allegro con brio
2.(10:36) II. Andante con moto
3.(05:48) III. Allegro –
4.(08:00) IV. Allegro
total(32:38)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 25 May 1947, Berlin, Germany
フルトヴェングラーが、ナチに協力したかどうか審議がされ、晴れて無実となり戦後初めてベルリンの聴衆の前で演奏した時の記録です。ライブだからということもありますが、ここまで鬼気迫る”運命”の演奏は、これ以前にもこれ以降にないのかもしれません。この録音では、生々しい音がたい体現できます。
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オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニー管弦楽団
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
1.(08:58) I. Allegro con brio
2.(11:14) II. Andante con moto
3.(06:14) III. Allegro –
4.(3:19) IV. Allegro
total(29:45)
フィルハーモニア管弦楽団 – Philharmonia Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
ベートーヴェン: 交響曲 &序曲集<限定盤> オットー・クレンペラー 、 フィルハーモニア管弦楽団
クレンペラーは、フィルハーモニア管とのステレオ録音での全集を録音している最中、就寝中の寝たばこが原因で大やけどを負うという災難に遭います。一年近く活動が出来ませんでしたが、復帰後録音したのが”運命”。大やけど前よりもぐっと深みを増した名演です。
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トスカニーニ指揮NBC交響楽団(1939年)
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
1.(07:22) I. Allegro con brio
2.(09:22) II. Andante con moto
3.(04:46) III. Allegro –
4.(08:51) IV. Allegro
total(30:21)
アルトゥーロ・トスカニーニ – Arturo Toscanini (指揮)
NBC交響楽団 – NBC Symphony Orchestra
録音: 11 November 1939, Carnegie Hall, New York, United States
ベートーヴェン・フェスティヴァル 1939 アルトゥーロ・トスカニーニ 、 NBC交響楽団
録音から80年以上経ちますが、もっとも闘争的なベートーヴェン像を奏でた名演です。約10年後にも全集を録音していますが、録音当時70代だったトスカニーニの老けていない覇気溢れる演奏に脱帽です。
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サイモン・ラトル指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
1.(07:24) I. Allegro con brio
2.(09:07) II. Andante con moto
3.(04:47) III. Allegro –
4.(10:38) IV. Allegro
total(31:56)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
サイモン・ラトル – Simon Rattle (指揮)
ベートーヴェン:交響曲全集(デル・マール・エディション) サイモン・ラトル 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
21世紀のベートーヴェン。全集全体では、まだまだ熟していな部分を感じますが、”運命”は、メリハリのある活気あふれる名演です。
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テオドール・クルレンツィス指揮ムジカ・エテルナ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
1.(06:41) I. Allegro con brio
2.(08:39) II. Andante con moto
3.(04:40) III. Allegro –
4.(10:34) IV. Allegro
total(30:34)
ムジカ・エテルナ – Musica Aeterna
テオドール・クルレンツィス – Teodor Currentzis (指揮)
ベートーヴェン:交響曲第5番 作品67「運命」 テオドール・クルレンツィス 、 ムジカエテルナ
現在、もっとも注目したい指揮者。すでに50歳近い年齢で、今後の熟成が楽しみです。
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